おはようございます。スタッフAです。
今朝は、お店の鍵を開けなくてはいけなかったのですが、
その前に和菓子屋さんへ行って、氷室饅頭を買ってきました。
正確に言えば、実家の母を和菓子屋さんまで車で連れて行ってあげて、
我が家の分も買ってもらったのですが
こう書くと、いい年をして親のすねをかじっているみたいですが、
金沢では、嫁の嫁ぎ先に氷室饅頭を届ける風習があり、
母は律儀にそれを守るので、お金を受け取ってくれないのです・・・。
氷室饅頭というのは、毎年7月1日に無病息災を願って食べるお饅頭の事です。
先日の6月28日、金沢市の伝統行事『氷室開き』が行われたニュースをしていましたが、
藩政時代、加賀藩では霊峰白山の一連である医王山や倉谷の雪を小屋に蓄え、
夏になるとその『氷室』から雪を取り出して、
江戸の将軍家に献上する慣わしがありました。
金沢市の湯涌地区の観光協会では、
毎年この時期に「氷室開き」の行事を行っているのですが、
今年は、冬から春にかけて気温が低かった為か、
氷室の中に掘られた穴に、例年の2倍ほどの雪が残っていたそうです。
この時取り出された氷室の雪は、
地区の旅館の他、加賀藩の下屋敷があった東京・板橋区にも今も運ばれているそうですよ〜。
そして、その氷室の雪氷を献上していた日が、毎年7月1日(旧暦6月1日)で、
享保年間、加賀藩5代目藩主前田綱紀の時代に、
金沢の菓子屋の道願屋彦兵衛の考案で饅頭が作られ、
道中の無事を祈り神社に供えられるようになり、この出来事が氷室饅頭の起源となりました。
明治時代になっても、7月1日は氷室(開き)の日とされ、
無病息災を願って饅頭を食べる習慣が残ったのです。
なので、生まれも育ちも金沢の私は、
生まれも育ちも金沢の両親が毎年この日に氷室饅頭を買うので、
物心ついた頃から毎年、1度も欠かさずに食べてきました。
お饅頭の色は白、ピンク、緑があり、
桃の節句の菱餅や雛あられと同様に、
白=雪、緑=新芽、桃=花を表すのではないかと思います。
お店によって中が白あんだったり、粒あんだったりしますが、
オーソドックスなのはこしあんの酒饅頭です。
人気のお店は売り切れるからと言って、父や母は毎年朝イチで買いに出かけます。
二人暮らしでも、基本10個買いです
大体毎年越山甘清堂さんの酒饅頭を頂くのですが、
今朝は雨という事もあり、街中から雨の中、母が2箱運んでくるのも大変なので、
今年は近場の小出さんに一緒に行きました。
営業も8:30からだったので・・・。
でも、うちの両親のような考えの方が多いのか、
8:30ちょっと前に着いたのに、既に駐車場には車が5,6台。
そして、うちの親くらいの年齢の方が、やっぱり箱買いされておりました。
その、小出さんの氷室饅頭ですが、
古くは、暑い夏を乗り切れるようにと、
この時期に滋養の多い春麦を使った饅頭を食べていたそうで、
酒饅頭の氷室饅頭が主流の中、小出さんのは麦饅頭なのです。
金沢はとにかく和菓子のお店が多く、
有名どころではない、町の和菓子屋さんにも十分美味しいお饅頭があったりするので、
いろいろなお店のを以前は食べていましたから、
小出さんのも前に食べた事はあると思いますが、
覚えていないので早く食べたいです
北陸新幹線開通以降、金沢へ観光にいらっしゃる方も増えていますが、
この時期いらっしゃったら、是非『氷室饅頭』を食して頂きたいですね。
昨日で6月も終わり、今日から今年も後半に突入した訳ですが、
氷室饅頭を食べて滋養をつけて、暑い夏を乗り切りましょう!